子どもを保育園に預けていると必ずと言っていいほど問題になってくる子どもの噛みつき。
保育士として何年も保育園で働いていますが、0歳児~2歳児クラスでは毎日ヒヤっとさせられる場面があります。
噛みつきは年齢によって理由も違い、中には成長の証でもあるという事も。
噛みつきは一過性のものではありますが、自分の子どもが噛みついた側になると相手に申し訳ない気持ちになるし、噛みつかれた側になると腹ただしい……と葛藤が。
保育園で出会う噛みつきの問題。保護者として、保育士として、両方の目線から考えてみました。
子どもの噛みつきはどうしておこる?
子どもの噛みつきは年齢によっても子どもの性格によっても理由は様々。
おおむね1歳を過ぎたころにはじまって、3歳前には終わると言われています。
確かに保育園でも0歳児~2歳児クラスに噛みつく子が多いですが、2歳児クラスの後半にもなれば「あ~そんなことあったね」なんて話せるくらい収まっていることがほとんどです。
ただ、噛みつきは一過性といっても、わが子がほかの子に噛みついたとなるとショックですし、噛みつかれてもショックですよね。
子どもの噛みつきは、1歳前後の噛みつきと2歳前後の噛みつきとでは、理由が大きく異なるので、原因と対策が変わってきます。
噛みつきの理由:歯が生えてきてかゆい
歯が生え始めのむずむずした不快な状態を噛むことで解消しようとする場合もあります。
0~1歳の歯が生え始めたころが一番多いです。もちろん歯が生えるときに噛まない子もいます。
歯が生えてきたころの噛みつきであれば、歯固めなどで歯の不快な感情を解消できるようにすると人への噛みつきは少なくなっていきます。
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0歳児クラスで多いのがこういった理由で、保育者や近くにいる大人がとめることが大事な状態です。
よく観察していれば、どういう理由で噛みついているのかがわかるので、比較的対処法を考えやすいのが特徴ですね。
噛みつきの理由:友だちとの関わりで嫌なことがあった
1歳ごろから友だちと関わるようになり、思い通りにいかずに相手を噛みつくということが起こります。
- 使っていたおもちゃを友だちにとられた
- 一緒に遊ぼうとしていたのに、遊んでくれない
- 近くに手があって邪魔だった
多いのはおもちゃの取り合いで、うちの娘が噛むのはほとんどこれです。
自分が使っているおもちゃをとられただけでなく、使いたいおもちゃを使っているという理由でも噛みつきます。
この対処法は子どもによっても違いがあって。
おもちゃを取られたら「いやだ」と言葉で表現する。
おもちゃを使いたかったら「貸して」と言葉で伝える。
話を理解できる子には言葉で話そうねと伝えています。
まだ言葉が出ない子には、噛もうとする前に「こっちにもおもちゃがあるよ」と誘うことで気持ちの切り替えができるようにしています。
どちらにしても、噛むことはダメなことということは「ダメ」と簡潔に伝えて、気持ちを切り替えられるようにしています。
あまり長々怒っても、2歳前後までは理解できないので逆効果なんですよね。
噛みつきの理由:そこに腕があったから
噛みつきの中で保護者も保育士も一番対応に困るのが、そこに噛めるものがあったから。というパターン。
- いつもと違うクラスの子がいた
- いつもと環境が違った(クラスが違う、活動の順番が違う、大好きな先生がお休みだった)
- 自分のテリトリーの中に入ってきた
- もっと自分のことを見てほしい
よく観察していると、理由がおのずと見えてきます。噛んだときは「ダメ」と伝え、しばらく寄り添って関わるようにしています。
保育園での噛みつきは子どものせいではない
保育園で噛みつきがあった場合、噛みつくという行為を止められなかった保育士の対応に問題があると捉えて良いと思います。
噛みつきは子どもの表現手段のひとつ。
噛みつきそうな子は普段関わっていればわかることなので、対処がしやすいです。
ただ、四六時中その子をマークしていられるわけではないし、噛みつくときは本当に一瞬なので止められないということもあります。
それを噛みつきを止められなかった保育士が、「○○ちゃんがいけない」と保護者や子供に言うのは違うと私は思います。
保育園での噛みつきの対応
噛みつかれた側
保育園で噛みつきがあった場合、噛みつかれた子には経緯を説明して謝罪します。
大きな痕になっていようが、痕が残っていない小さなものだろうが、必ず説明をしています。
そして二度と噛みつかれることが内容に注意してみていくのが一般的。
毎日噛まれた、1日に何度も噛まれた、1か所だけではないなんていうことがあったら、保育園の対応をしっかり聞いたほうが良いです。
噛みついた側の話は言わないかと思いますが
- 同じ子が噛みついたのか
- 噛みつく時間帯は一緒か
- 保育士はどういう対処を考えているのか
しっかりと担任と話して、続くようであれば園と話し合いをもっても良いと思います。
噛みついた側
噛みついた側には、よほどのことがない限り報告をしません。
私は保育士なので、先に担任に「噛みついたら教えてください」と言っているので毎回報告してもらっていますが、基本的に噛みついた子の保護者には報告しない方針の保育園が多いです。
噛みついた側に報告するのは、何回も続いたり急に噛みつきが増えたりといった気になった場合のみ。
その時も「お友達に噛みつきましたよ」なんてことは言わず、「最近おうちでへんかありましたか?」「噛みそうになる事がありました」というニュアンスで話すことが多いです。
おうちでも噛みつきがおこっていないか、その際にどういった対応をしているのか保護者の方と話しています。
家庭と保育園で噛みついた後の対処法が違うと、子供が混乱するからです。
保育園から噛みつきが多いと言われたらどうすればいい?
保育園から「お子さんが噛みつきが多いです」と言われたら、正直どうすればいいんだろうかと思うと思います。
結論から言うと、家庭でできることはほとんどなくて、家族を噛んだ場合にだけ子どもに話すことを心がけます。
決して噛むから子どもを逐一叱る……というのはやめてくださいね。
私の娘もよく「噛みつきそうになりました」「今日は噛んでしまいました、止められず申し訳ありません……」と担任に言われていました。
噛みつきが多いと言われたら、家庭でどうすればいいのかといわれると、保育園と同じように噛んだら叱るという事しかできないです。
もちろん家庭であまり子どもに関わってあげる時間がないな、と思うのであれば絵本を一緒に読んだり、ちょっと寄り道して公園で遊んだり。という方法も良いと思います。
ただ、噛む=愛情不足というわけではないので、まずは「担任の先生は噛んだ後どういう対応をしているのか」確認してみてください。
噛んだ後の対応を家庭でも一緒にして、少しずつ「噛みつくことはいけないこと」と子どもが理解していけるように我が家では行っています。
「よく噛むのは保護者の愛情不足だ」と言われるようであれば、さすがにその保育士の方が問題なので、主任や園長といった話せる人に相談しましょう。
噛みつきが起こったら考えたいこと
保育園で自分の子供が噛みついたら「愛情不足なのかな……」と不安に思ってしまう保護者の方もいると思います。
でも、愛情不足だから噛むなんていう根拠はどこにもありません。
噛みつく理由が明確であれば、対処法も考えていけますし、歯がかゆかったりする場合の噛みつきであれば自然に収まっていきます。
「噛みつきが多い」と保育園で言われたら、まずは担任がどういう対処をしているのか聞いてみてください。
そして、噛みついた時の経緯を聞いて、どういうときに噛むのかを知っておくと対処しやすくなると思います。
噛みつきはいつかはなくなるもの。0~2歳の子どもをもつと、一度は通るかと思う悩みなので、参考になればうれしいです。