保育園に入園してから、感染症に罹患すると「登園時に登園届(許可証)を持ってきてくださいね」と言われたことはありませんか?
登園届や登園許可証と聞いてもいまいちぴんと来ないし、そもそも何が違うのか。口頭で言われただけではわかりにくいかと思います。
実際に保育士として働いていても「あれ?この病気って登園届だっけ?許可証だっけ?」となることもしばしば。
園によって微妙に内容が違う事も!
登園届と許可証の違いと書き方を詳しく紹介していきたいと思います。
保育園で必要な登園届と登園許可証の違い
保育園で感染症と罹患された場合は、感染拡大を防ぐため保護者に登園届、もしくは登園許可証を記入してもらう事になります。
登園届と登園許可証。似ているようで全く違うものですが、実は覚えてほしい部分は1つだけ。
- 受診後保護者が記入する:登園届
- 受診して医者が記入する:登園許可証
登園届の方が比較的感染力が小さく完治までの期間も早いもの。登園許可証は感染力が高いものが多いです。
登園届が必要になる感染症
保育園に登園する際、登園届が必要になる感染症は以下の通り。
病名 | 感染しやすい期間 | 登園のめやす |
溶連菌感染症 | 適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後1日間 | 抗菌薬内服後24~48時間経過していること |
マイコプラズマ肺炎 | 適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後数日間 | 発熱や激しい咳が治まっていること |
手足口病 | 手足や口腔内に水疱・潰瘍が発症した数日間 | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事が取れること |
伝染性紅斑 (リンゴ病) |
発しん出現前の1週間 | 全身状態がよいこと |
ウイルス性胃腸炎 (ノロ、ロタ、アデノウイルス等) |
症状のある間と、症状消失後1週間 (量は減少していくが、数週間ウイルスを排泄し ているので注意が必要) |
嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の |
ヘルパンギーナ | 急性期の数日間(便の中に1か月程度ウイルスを排泄しているので注意が必要) | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事が取れること |
RSウイルス感染症 | 呼吸器症状のある間 | 呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと |
帯状疱疹 | 水疱を形成している間 |
すべての発しんが痂皮化 してから |
突発性発しん | 解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと |
保育園によっては「とびひ」も登園届を必要としている場合があります。
保育園で説明会の時に配布されているので確認しておいてくださいね。
保育園で登園許可証が必要になる感染症
罹患して保育園に登園する際に登園許可証が必要になる感染症は以下の通り。
感染症名 | 感染しやすい期間 | 登園の目安 |
麻しん (はしか) |
発症1日前から発しん出現後の4日後まで | 解熱後3日を経過してから |
インフルエンザ |
症状が有る期間 (発症前24時間から発病後3日までが最も感染力が強い) |
発症した後5日を経過し、かつ |
風しん | 発しん出現の前7日から後7日間くらい | 発しんが消失してから |
水痘 (みずぼうそう) |
発しん出現1~2日前から痂皮形成まで | すべての発しんが痂皮化してから |
流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ) |
発症3日前から耳下腺腫脹後4日 | 耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹が発現してから5日を経過するまで、かつ全身状態が良好になるまで |
結核 | 医師により感染の恐れがないと認めるまで | |
咽頭結膜熱 (プール熱) |
発熱、充血等症状が出現した数日間 | 主な症状が消え2日経過してから |
流行性角結膜炎 | 充血、目やに等症状が出現した数日間 | 感染力が非常に強いため結膜炎の症状が消失してから |
百日咳 | 抗菌剤を服用しない場合、咳出現後3週間を経過するまで |
特有の咳が消失するまで、又は5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療を終了するまで |
腸管出血性 |
症状が治まり、かつ、抗菌剤による治療が終了し48時間あけて連続2回の検便によっていずれも菌陰性が確認されたもの |
|
急性出血性結膜炎 | ウイルスが呼吸器から1~2週間便から数週間~数か月排出される | 医師により感染の恐れがないと認めるまで |
髄膜炎菌性髄膜炎 | 医師により感染の恐れがないと認めるまで |
一番お世話になるのは冬の時期に流行るインフルエンザかなと思います。
職場の登園許可証を保管するファイルは毎年3分の2がインフルエンザです。
登園届と登園許可証の書き方
登園届と登園許可証は、最初にお話ししたように
- 登園届:保護者が書く
- 登園許可証:医者が書く
という違いがあります。
登園許可証に関しては、保育園で用意されている書類を医者に渡して書いてもらうだけ。
登園届は保育園で用意されている書類に保護者が記入する必要があります。保育園によって書式内容は違いますが、
- クラス 名前
- 発症期間
- 受診した医療機関名
- 病名
- 保護者のサイン
5点を記入しておしまいのことが多いです。
この際に気を付けてほしいのが、登園届は保護者が書くだけでいいから……という判断で登園前に医療機関を受診しないケース。
登園届は体調が戻った後に病院に受診して、医者からのOKが出てから記入してもらう書類になります。
せっかく書いてもらっても、受診してないと「ごめんなさいー受診してくださいー」ってなってしまい二度手間に。
保育園に送っていったのにそこからまた受診して再度登園となると大変なので、病院に行った後登園するのがベストです。
登園届や登園許可証はどこでもらえる?
登園届や登園許可証はどこでもらえるか。保育園によってルールの違いはありますが、必ず保育園に置いてあります。
- 担任(看護師)から直接もらう
- 保育園のHPからダウンロードする
- 説明会で配布されたものをコピーして使う
ほとんどがこの3パターンです。
登園届や登園許可証が必要になるという事は、すでに子どもが体調を崩しているという事。
担任から直接もらうために保育園に行くのも億劫なので、HPからダウンロードできるようになっていると本当に便利ですよね。
コピーしたものを持ち歩いておくと、いざという時に使いやすいです。
連絡帳と一緒に持ち歩きたいアイテムとして紹介しています。
登園届と登園許可証をマスターして楽しい保育園ライフを!
感染症になった後に地味に面倒な登園届と登園許可証。
せっかく治ってこれから仕事復帰!なんていう朝に、受診してきてくださいねなんて言われた物なら、気分は一気に下がりますよね。
私も高熱がやっとおさまって仕事に行ける!と思ったら登園したら発疹がでていて「突発だと思うから受診してくださいー」って言われたことが。
あわてて職場に連絡して、遅刻する旨を伝え、小児科が空くのを待つ……と、朝だけで疲れてしまったのを覚えています。
登園届と登園許可証が必要な感染症まで覚える必要はありませんが、そんな書類もあったな!と頭の片隅に入れておくと、準備しやすいと思います。
ぜひマスターして楽しい保育園ライフを過ごしてくださいね!